新約聖書(新共同訳)より
使徒言行録2章14節〜26節
すると、ペトロは十一人と共に立って、声を張り上げ、話し始めた。
「ユダヤの方々、またエルサレムに住むすべての人たち、知っていただきたいことがあります。
わたしの言葉に耳を傾けてください。
今は朝の九時ですから、この人たちは、あなたがたが考えているように、酒に酔っているのではありません。
そうではなく、これこそ預言者ヨエルを通して言われていたことなのです。
『神は言われる。
終わりの時に、
わたしの霊をすべての人に注ぐ。
すると、あなたたちの息子と娘は予言し、
若者は幻を見、老人は夢を見る。
わたしの僕やはしためにも、
そのときには、わたしの霊を注ぐ。
すると、彼らは預言する。
上では、天に不思議な業を、
下では、地に徴を示そう。
血と火と立ちこめる煙が、それだ。
主の偉大な輝かしい日が来る前に、
太陽は暗くなり、
月は血のように赤くなる。
主の名を呼び求める者は皆、救われる。』
イスラエルの人たち、これから話すことを聞いてください。
ナザレの人イエスこそ、神から遣わされた方です。
神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、しるしとによって、そのことをあなたがたに証明なさいました。
あなたがた自身が既に知っているとおりです。
このイエスを神は、お定めになった計画により、あらかじめご存じのうえで、あなたがたに引き渡されたのですが、あなたがたは律法を知らない者たちの手を借りて、十字架につけて殺してしまったのです。
しかし、神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。
イエスが死に支配されたままでおられるなどということは、ありえなかったからです。
ダビデは、イエスについてこう言っています。
『わたしは、いつも目の前に主を見ていた。
主がわたしの右におられるので、
わたしは決して動揺しない。
だから、わたしの心は楽しみ、
舌は喜びたたえる。
体も希望のうちに生きるであろう。
あなたは、わたしの魂を陰府(よみ)に捨てておかず、
あなたの聖なる者を
朽ち果てるままにしておかれない。
あなたは、命に至る道をわたしに示し、
御前にいるわたしを喜びで満たしてくださる。』
兄弟たち、先祖ダビデについては、彼は死んで葬られ、その墓は今でもわたしたちのところにあると、はっきり言えます。